※この記事は 2024年07月19日に Medium で公開されたものを、ブログ移行に伴い再掲載したものです。内容は当時のままですので、一部情報が古くなっている可能性があります。
はじめまして、2023年の12月にWebアプリケーションエンジニアとして入社した鈴木です。
主な仕事は tebiki現場分析 のアプリケーション開発で、 Product Engineer として幅広い業務に携わっています。
早いもので、自分が入社してから半年が過ぎました。
SaaS企業でエンジニアとして働くことが初めてである自分にとって、この半年は多くの学びがあり、とても充実したものであったと感じています。
当記事では、そんな学びの中から一つを「エンジニアにとってのカスタマーサクセス」というテーマで紹介させていただきます。
※ 当記事では、カスタマーサクセス(以下、CS)を「顧客が成功する(成果を出す)ことを能動的にサポートすること」とします。 職業としてCSをされている方のことはCS担当者と表記します。
エンジニアにとってのCSとは
現時点での自分は、以下のように考えています。
- 自身の影響力を理解して、顧客に対してポジティブな影響を与えること / ネガティブな影響を避けることである。
ここでの影響力というのは、もちろんアプリケーションを開発して、その機能を顧客の業務に活かしてもらうことも含みます。
それだけでなく「自分が出したものが商談やCS担当者の業務、顧客の業務などにどのように影響するのか」ということです。
SaaSというのは、ただ使ってもらうことが目的ではなく、うまく・効果的に使ってもらうことで顧客自身に成果を上げてもらうことが目的です。
そのためには「エンジニア自身もその影響力について理解していなければいけない」と感じています。
なぜこのように考えるようになったのか?
以前の考え方
Tebikiに入社する前の職場は、いわゆるSES企業でした。業務内容としては、出向先の社員さんから「こんな開発計画だから、まずはxxx機能を作ってほしい」というような指示をいただき、仕様を詰めながら実装していくというものです。
当時はエンジニアとしかコミュニケーションをとる機会がなく、自身が出したものがその後お客さんにどう使われているのか、どう影響しているのかまでは深く理解していませんでした。
そういった経験もあって、以前までは「リリースしたものの影響」を考えることは少なく、どちらかといえば「求められているもの、要望が上がっているものを少しでも早く提供することが大切である」という考え方をしていました。
しかし、SaaS企業であるTebikiで働き、顧客の生の声に触れるようになってからは、その考え方が変化していきます。
リリースの影響力を知る
SaaS企業であるTebikiで働いていると、自身の出したものの影響力を感じることが多いです。CS担当者などの報告を通して、顧客の生の声を聞くことができるからです。
機能のリリースや改修を行うことの影響力は、単にアプリケーションが充実し、便利になることに留まりません。
例えば、商談中の顧客にとって新機能のリリースは「開発の速度感」や「自分たちが望むものを提供してくれる」という期待感につながります。
逆に、すでに利用中の顧客にとって既存機能の改修は「アプリの使い勝手が変わり、業務自体にも混乱を及す」こともあります。
後者については、特に大切であり、自分が意識できていないと感じる部分です。
今までやっていたことの使い勝手が変わることで、顧客の業務へネガティブな影響がでる。最悪業務が止まる。
これが意識できていない頃の自分は、顧客への連絡を待たずにリリースしてしまったことで、実際に顧客の業務に混乱を与えてしまったこともありました。
このことから、リリースはCS担当者と連携して、顧客に対して事前告知しておくことが必要であると知りました。
いままでは作ることに集中しがちでしたが、こうした報告を聞く中で「顧客の価値を損なわないためにも、出したものが何にどう影響を与えているのか」まで考え、理解していないといけないと考えるようになりました。
Tebikiでの取り組み
CS担当者との連携
Tebikiでは、開発者とCS担当者との連携をとても大切にしています。具体的には、スクラムイベントの一つのスプリントレビューにセールスの方が出席されていたり、それ以外の場面でも積極的にコミュニケーションをとっていることなどが挙げられます。
また、TebikiのValueの一つに「ユーザーの行動が全て」というものがあります。
本当に役立つものを作りためには「顧客が欲しいものを聞く」だけでなくて「提供したものを使ってもらい、もっとこれがやりたい・こうしてほしい」という声に耳を傾けることが大切であるという考え方です。
CS担当者は顧客の生の声や使用感・抱えている課題などに普段から触れており、その解像度が高いです。
そのCS担当者を通して顧客からのフィードバックを受け取り、それらに耳を傾け反映すること = 本当役立つものを提供できる。
この考え方は、自分たちがプロダクトを作る上で、顧客に対してよりポジティブな影響を与えるためにとても大切であると思っています。
ペインに気付くこと
CS担当者との連携は、顧客のペインに気づき、それを取り除くことにもつながります。
TebikiではCS担当者もDatadogを使っており、顧客が正しくサービスを活用できているかなどを確認することがあります。
例えば以下は、新たに導入を検討してくださっている企業さんが tebiki現場分析 を使っている様子を観察し、その際に気がついたことを報告してくださっている様子です。
Datadogを確認したCS担当者からの報告
この報告を受けて自分たち開発チームは「とある機能を顧客が使う際に、特定の条件で非常にストレスとなってしまう仕様になっている」ということに気づけました。
そのおかげで、この問題に関して顧客から報告を受ける前に対処することができました。事前に(と言っても、一度は起きてしまっていますが)顧客のペインを取り除くことができたのです。
アプリケーションの機能が充実したり、変化すること = 価値ではない
このようなTebikiでの経験を通して、顧客が自分たちのサービスを使う上でどのようなことが価値につながるのかを考えました。
例えば、tebiki現場分析 が顧客にもたらす直接的な価値は、普段の業務をモニタリング・分析し、無駄を省くことによってカットされるコストなどが挙げられます。そこからサービスの利用料を差し引けば、その差分が価値(利益)の一つといえます。
そのほかにもエンジニア目線で考えた時に、機能リリースの単位で見れば「新規機能による利益 — 既存機能の変更による不利益」が、顧客価値であるといえると思います。
CS担当者の目線でみれば「サービスの充実度 — 顧客の使いこなし具合」も顧客が感じている価値の一つといえるかもしれません。
つまるところ何事も正負の両面があって、そこから価値を測り、それらのバランスを取る必要があるということです。
「エンジニアが顧客に対して価値を提供して成功に導く」には、このような考えのもとで「エンジニア自身が影響力を自覚し、それを適切に発揮していかなければならない」という学びのお話でした。
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