エンジニアが選ぶべきスタートアップはどこか

※この記事は 2021年05月31日に Medium で公開されたものを、ブログ移行に伴い再掲載したものです。内容は当時のままですので、一部情報が古くなっている可能性があります。

ピナクルズの CTO をしている渋谷です。「現場向け動画 DX」を実現するための SaaStebiki』を開発しています。

今回はスタートアップを経営してみて知った「もしソフトウェアエンジニアの自分が転職するならどんなスタートアップを選ぶとよさそうか」について書いてみたいと思います。(入れるかどうかはさておき)

成長率がすべて。これ絶対。

スタートアップはストックオプションや提示ポジションといった外形的な要素に目が行きがちですが、企業の成長率が低いと PoC レベルのシステム開発や運用業務しか経験できず、エンジニアとしてのスキル獲得が難しい環境にあることがほとんどです。 一方で成長率の高いと要求される技術レベルが事業成長に伴い引き上げられるため、任せられる仕事によりスキルが向上したり、優秀な人材が集まってきて切磋琢磨できるようになるといったポジティブな環境が生まれやすいです。

そういった意味で、もし自分ならスキルが積めてキャリアが好転しやすい成長率の高いスタートアップをまずは探します。要は勝ち馬に乗れ!ということですね。そこにフィットするかどうかはもちろん重要ですが、そのあとに考えます。

ではその「成長率の高さ」という指標はどうやって判断したらいいのでしょうか。

1. 事業はあえて絞らない

XR を使って誰もしたことのない体験を提供する、といったエンジニアリング的に尖った事業をより魅力的に思うのはエンジニアとしては当然です。個人的にも心惹かれることはもちろんあります。 ですが、こういったビジネスは意外と市場ニーズがまだ存在しないことが多いです。むしろ既存の仕組みのたった半年くらい先を進んでいる事業のほうがニーズが大きかったりします。

また企業の高い成長率はすばらしいプロダクトだけあっても達成できません。市場があった上で、さらにセールスやマーケティング、そしてプロダクトそれぞれが協調して動くことで達成することができます。

エンジニア視点ではレガシーな業界だったり一見地味そうなビジネスであっても、要素が揃ってさえいれば大きな成功を掴む可能性が十分にあるので、事業内容はあえて絞らないで探すことがまずは第一歩です。

2. VCにのっかる

転職はいわば自身を企業に投資することと同義なので、エンジニア全員がシード投資家の目線になれればいいのですが、それは流石に難易度が高いですよね。なので、実際に投資家が投資しているかといった形で他者に判断を委譲するのがおすすめです。 特に国内の独立系 VC は投資だけで食べていける人たちなので、その人達の見る目は(少なくともエンジニア個人よりは)正しいはずです。その VC の投資先がよいスタートアップだということになります。 VC ごとに IPO に至る確率は異なるので、各社のポートフォリオを元に良さそうな VC を探してみてください。

グロービス・キャピタル・パートナーズの例グロービス・キャピタル・パートナーズの例

投資を受けた金額でいうと3億円以上あればかなり安心できます。今はシードだとかシリーズ A だとかは呼称の問題なだけでそれほど意味はなく、むしろ金額に意味があるので、ラウンドの表記は気にしなくていいです。

また「なんとかベンチャー 100社」などの受賞歴は判断材料にしないほうがよいです。マネーの虎とかとは違って、お金を出す人がそれを判断しているわけではないからです。 創業者の経歴も同様で、企業の成長にそれが結びついているのかは外部からはまったく判断できないので、東大卒だとかコンサル出身だとかもそんなに気にしなくていいです。

3. 資金調達のプレスリリースを見る

スタートアップが資金調達をするとたいていはプレスリリースを出すので、それを元に1~2年のスパンで調達しかつ調達した金額が上がっていっているかどうかを確認します。第三者割当をどれくらいにするかで金額が変わってしまうため、本当は時価総額で判断したいところですが、データが探せないことがあるためこれを指標とします。

で、なぜこれを重視するのかというと、そういった資金調達ペースであるということは、そこに市場ニーズがありマーケティング的にもセールス的にも資金を投下すべきと投資家が判断をしているからです。 つまり調達金額が順調に上がっていれば、それは企業が順調に成長している証と考えてよいでしょう。

ちなみに複数回資金調達していれば OK というわけでもなく、中には企業が潰れないための資金調達を繰り返しているパターンもあるので注意してください。

4. 競合数をチェックする

競合がいるということは、イコールそこに市場ニーズがあるということを意味します。競合の数と市場の大きさは比例すると考えてよいです。

競合のかんたんな調べ方があります。それはランディングページの title タグのテキストでググる方法です。 例えば SmartHR の場合、title タグは「SmartHR(スマートHR)|シェア№1のクラウド人事労務ソフト」となっているので、「クラウド人事労務ソフト」で検索してみるとこんな感じになります。

「クラウド人事労務ソフト」の検索結果クラウド人事労務ソフト」の検索結果

「広告」となっているサイトがいっぱい出ているのがいいサインです。ここには大きな市場ニーズがあることがひと目で分かりますよね。

まとめ

ビジネスが上手くいっているスタートアップはエンジニア組織もポジティブなサイクルが構築されているはずです。むしろエンジニア組織がワークしていなければ、今の時代はビジネス的に高い成長率を維持できないと思います。 まずはスキルを上げて今後のキャリアをもっと好転させたいと考えているエンジニアの方は、ぜひ成長率視点で転職先を探してみてください。

(裏技っぽいですが VC に直接コンタクトを取る方法もあるようです) あなたがもし、スタートアップに転職を考えたなら|GCP X|note こんにちは、GCP Xの水野(@yukim0512)です。…note.com

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